名義変更登記をご依頼いただいた際に、登記簿を確認したら、このような昔の抵当権に出くわすことがあります。
「休眠抵当権」 と呼んでいますが、抹消登記をし忘れた最たる例ですね。
住宅ローンを完済した際にする抵当権の抹消登記とのおもな相違点は、
- 現在の所有者がかかわった抵当権ではないので、支払いが終わっているかどうかがわからない点
- 登記簿に載っている抵当権者を知らない点
です。
休眠抵当権の抹消は、抵当権者の調査が必要になりますので、ご自分でなさるのは難しいと思います。
不動産登記の専門家・司法書士にご相談ください。
登記簿に載っている抵当権者またはその相続人の行方が分かる場合
通常どおり、抵当権者またはその相続人と物件の所有者が共同して(または判決によって)登記を申請することになります。
なお、抵当権の抹消登記の前提として、抵当権の名義を相続人にする抵当権移転登記が必要になることがあります。
登記簿に載っている抵当権者の行方が分からない場合
抵当権者はずいぶん昔の人ですので、知らないことがほとんどでしょう。
- 登記簿に載っている抵当権者の行方がわからない
- 弁済期から20年以上経過している抵当権
であれば、 - 債権額+利息+損害金の全額を供託する
ことで、所有者が単独で抵当権の抹消登記をすることができます。
まずは、登記簿に載っている抵当権者の戸籍を調査
戸籍が保存期間経過などで取れないことがほとんど(?)ですので、不在籍・不在住証明書を取ります。
もし、抵当権者の戸籍が取れたら、抵当権者の相続人を戸籍で追うことになります。
⇒つづきは、と同じ。
抵当権者の登記簿上の住所に配達証明付きで手紙を送る。
手紙が宛先不明で戻ってくれば、登記手続き上、抵当権者の行方が分からないということになります。
弁済期から20年以上経過していることを調べるため昔の登記簿(閉鎖登記簿謄本)を取得する。
供託する日までの利息・損害金を計算して、供託する。
登記申請して手続完了!
ところで、100年以上経過しているので供託する金額が気になると思いますが、
現在の貨幣価値に換算する必要はありませんので、債権額にもよりますが、通常は数百円程度です。
通常の住宅ローンの抵当権の抹消とは、ずいぶん手順も違うし、手間がかかります。
手続きに1ヶ月程度かかりますので、売却などをお考えの場合は、早めに司法書士にご依頼されることをオススメいたします。
抵当権者が○○農業会など法人の場合
抵当権者が法人の場合は、のように供託して簡易に抵当権を消すことはできません。
その法人の登記簿を取って、清算人を確認する
清算人全員の戸籍を取り寄る。(通常、全員亡くなっている)
地方裁判所に、その法人の「清算人選任の申立て」をする
清算人と共同して抵当権の抹消登記を申請する
清算人の報酬も準備する必要がありますので、
よりも手続き費用はかかります。ご了承ください。
当事務所では、これまで何度も休眠抵当権の抹消手続きを取り扱っております。
もし、あなたの土地の登記簿に休眠抵当権が残っていたら、当事務所におまかせください!
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